#スピードキューブで覚える英語
ハッシュタグ「#スピードキューブで覚える英語」
こんにちは、かわむです。少し前から、#スピードキューブで覚える英語というハッシュタグを作って、 ルービックキューブやスピードキューブに関する英語表現や単語をポストしはじめました。
pseudo: 偽物の、疑似の、よく似た
— かわむ (@kawam1123) 2020年5月14日
発音に注意![US] súːdou | [UK] sjúːdou
これはpseudo-science (疑似科学) などの文脈で覚えていましたが、キューブだとFMCのpseudo-block (疑似ブロック) で出てきますね。発音はpを無視して、「すーどう」みたいな音です。#スピードキューブで覚える英語
Lettering Scheme
— かわむ (@kawam1123) 2020年5月18日
目隠し競技においてレターペア(letter pair)を作って記憶するために、各ステッカーに文字を割り当てること。また、その割り当て体系。
日本語だとそのまま使われる用例は少なく、なぜか「ナンバリング」と言われる。番号じゃないのに…?#スピードキューブで覚える英語
Speffz
— かわむ (@kawam1123) 2020年5月18日
英語圏ではデファクトスタンダードとなっている標準化されたLettering Scheme。各ステッカーにアルファベットを振る。Speffzをベースとして自分なりに文字を変えることもよく聞く。日本でも使っている人はいます(中島さんとか)。https://t.co/JSds12mjgj#スピードキューブで覚える英語
スピードキューブと英語
本ハッシュタグのねらい
これを読んでくださっている方のほとんどはスピードキューブをよく知っていることでしょう。たとえば「CubeSkillsのブログをスラスラと読めるようになりたいなあ」「Jpermの動画で何を言ってるかわかるようになりたい」 と思ったことはありませんか?
冒頭に書いたように、 「#スピードキューブで覚える英語」 というハッシュタグで、ルービックキューブやスピードキューブに関する英語表現を少しずつ紹介しています。これは、日本語を話す(特に中高生の)キューバーにとって、英語学習のいいきっかけになることを期待しています。
ほとんどの方は、学校教育の中で、これまで嫌というほど英語の勉強をしてきていることでしょう。「英語が役立つのはわかるんだけど興味が持てない」とか「やりたいんだけどうまく覚えられないんだよね」ということがあるでしょう。
英語学習に限らず、何か新しいスキルを身に着けるために大切なのは、その対象に対する強い興味です。「英語を勉強する」と思うと大変ですが、「英語を使って学ぶ」と考えてみましょう。英語を道具として使って、自分が強く惹かれていることを学んでみるというのはどうでしょう? なんだか楽しそうじゃありません?
スピードキューブをやっていく上で「この単語にこんな意味があったのか!」「なるほど、スピードキューブの文脈ではこういう使い方をするのか…」ということに出会ったときに、ぜひこのハッシュタグを使ってつぶやいてみましょう。
英語はつよいぞ
ルービックキューブの解法やスピードキューブに関する情報を調べるにあたって、英語のほうが様々なリソースがあるということはよく覚えておくべきことでしょう。
これはスピードキューブに限ったことではなく、地球上には日本語話者よりも英語話者の方が多いのです。 スピードキューブの競技者人口についても同じことが言えます。特にアメリカは英語話者が中心で競技者も多いですから、自然と英語で発信される情報が増えるわけです。 もちろん、国際コミュニケーションのデファクトスタンダードとして英語が使われるので、イタリア人やフランス人のキューバーも時には英語で情報発信をするでしょう。世界中でたくさんの人に読んでもらいたい!と思ったら、使っている人数の多いメジャーな言語(英語や中国語)を選ぶのは自然なことです。
英語チョットデキルになると様々な情報に触れることができて、お得なのです。
英語を使ってどんなことができるようになるの?
ごく一例ですが、次のようなことができるようになるでしょう。
- CubeSkillsにあるFeliksのブログをそのまま読めるようになる。 そんなに更新されませんが、Faz信者にはおススメします。
- YouTubeでお気に入りのYouCuber (キューブを主なテーマとするYouTuberのこと)が何を言っているのかを理解できるようになる。 Jperm、cyothekingなど、非常にわかりやすい語り口なのでおススメです。字幕を付けて閲覧することができるので、多少聞き取れなくても大丈夫。
- SpeedSolving.comのスレッドで興味があるものを探して読んだり、自分の発見を書き込んだりできる。 過去のスレッドも含めて情報の宝庫です。スピードキューブ関連でわからない用語があったら、SpeedSolving.comのWikiを見るといいでしょう。
- Redditのr/Cubersで世界各国のキューバーとキューブジョークを言い合える。 毎日DDTで自分のPBを報告したり、雑談したり、ちょっとした相談をしてみましょう。ついでにくだけた口語やインターネットスラングもたくさん学べます。
- WCA Forumで議論されている内容をそのまま理解できる。いま世界のスピードキューブ界隈はどこに向かおうとしているのかを知ることができます。
- WCA大会規則の原文を呼んで正確なレギュレーションを理解することができる。規則マニアにはたまらないです。
- 大会やオフ会で会った憧れの海外キューバーと話ができる。 何なら海外の大会に参加して楽しめます。自分の興味あることが話題の中心であれば、基本的な語彙と文法さえ押さえておけばコミュニケーションは成り立つものです。世界のキューバーと友達になりましょう。
おわりに
個人的な活動として、csTimerのUIを日本語に翻訳してみたり、Sebastiano TrontoのFMC入門の翻訳してみたり、英語で書かれているものを日本語にして多くの人がアクセスしやすくするということをしています。その延長として、スピードキューブに関わる方が自然と英語のスキルを高められるようにお手伝いできるといいなあ、と思っています。
このハッシュタグに限らず、そういう貢献の仕方もありますよね、きっと。また関連する記事を書きます。語彙や文法と対照させたような対訳なんかも作りたいですねえ。CEFRと関連付けたCan-Doリストなども考えてみましょう。
(おしまい)
3-Style手順表からのコピペが楽になるスクリプトを書いた
TL;DR;
下記のリポジトリを参照してGoogleスプレッドシートの手順表に設定すれば、 自分の3-Styleの手順を簡単にコピペできるようになります! 誰かに手順を紹介したいときに便利にお使いいただけます。
この記事のねらい
みなさん元気に3-Styleを回しているでしょうか?
1つ覚えては2つ忘れるを繰り返している、3-Style初心者のかわむ (@kawam1123)です。
何を間違えたのか、いきなりUF/UFRバッファで3-Styleを練習し始めて2か月が経ちました。hinemosに登録したコーナーの手順はまだ267手順です。エッジはEkaのみ20手順程度。手順を回しているだけで楽しいのですが、集中して練習する時間を取って回さないとなかなか定着しません。なんとか成功できるようにはなってきましたが、早く1分を切れるようになりたいです。
3-Styleの手順を選んでいくためにも、いま自分が回している手順をほかの人に気軽に共有したい!と思うことが多くなりました。 そんな課題を解決するためのスクリプトを書いたので、紹介します。
免責事項
- 私は3-Style超人ではないので、本記事の内容は(3-Style上達のために)最適な内容でない場合があります。ご容赦ください。
- ちなみに私の3x3x3目隠しのPBは1:30くらいです。公式はM2/OPで2:30程度。
- UF/UFRバッファでのPBは2:30くらい(執筆時点)。まだまだ遅いです。10回に1回くらいしか成功しません。
3-Styleって何?
本記事をご覧になる方の大半はスピードキューバーでしょうから、解説は不要と思いますが念のため。(既にご存知の方は飛ばしてください)
WCA公式競技のひとつに、ルービックキューブ(3x3x3キューブ)を目隠しで解く競技があります。 3x3x3 目隠し (3x3x3 with blindfolded)と呼ばれます。目を開けていても難しいルービックキューブを目隠しをして解くなんて超人か!?と最初は思うかもしれませんが、実はそこまでアクロバティックな技術は必要ありません。
OP/OPやM2/OPならいくつかの手順とセットアップ方法を覚えるだけで揃えられるようになります。疑似的な2点交換を繰り返すだけで揃っていくので、理解しやすいでしょう。
(大村さんは下記の動画で一週間あれば攻略できる!と主張していますが、その通りだと思います)
3x3x3目隠しの手法の中で難しいのは、3点交換を繰り返すものです。これを3-cycleや3-Styleと呼びます*1。 これは、コーナー378手順、エッジ440手順、計818手順をすべて覚えて回すという変態的な手法です。 この手法が開発された当時は、まだそんな多くの手順を覚えて実行することができるのか?と懐疑的な人も多かったのでしょう。しかし、使いこなしている目隠し超人が多いのが現実です。
現在の世界記録保持者であるMax Hilliardの試技(Cubing USA Nationials 2019)を見てみましょう。 6秒で分析と記憶を終えて、9秒で実行しています。 人間でしょうか?
Jack Caiによる14.18の試技も見てみましょう。一度も止まることなく滑らかに指が動いています。非常にカッコいいですね。
まっさんのソルブも好きです。動画内に手順が書いてあって理解しやすくなっています。
3-Style 手順表とは何か?
さて、こんなにカッコよく目隠しソルブができる3-Styleという手法ですが、 覚える量がたくさんあるだけでなく、様々な手順のなかから自分に合った手順を選定していく必要があります。 これは大変です。そんなところからスタートしていては、何年かかっても揃えられないかもしれません…?
ここでスピードキューブ界隈の素晴らしいオープンな文化が出てきます。 偉大な先人たちは、自分が使っている手順表を惜しげもなく公開してくれているので、それを見ながらまずは自分で回してみる、というのが近道です。なんて素晴らしい! 私もいまこの道をゆっくり歩いています。
有名なキューバーの手順表はいくつもありますが、たとえば次のようなものがあります。
- Graham’s Full 3Style Comm Series + more – Google Sheets
- Jack’s Comms – Google Sheets
- Ishaan Agrawal’s algs – Google Sheets
- Max Hilliard 3BLD - Google Sheets
- まっさん手順 – Google Sheets
その他の様々な手順表については、BLDライフの手順表ページを参照するとよいでしょう。
手順表の中身
手順表というのは次のような見た目をしています。
これはUFRバッファの手順表です。列が2つ目のステッカー、行が3つ目のステッカーに相当します。つまり、 う(UBL)とさ(LDF)が交差するところに書かれた手順[R' D R, U2]は UFR-UBL-LDFの3点を交換する手順だ 、という風に読むことができます。
これがコーナーとエッジについてそれぞれシートが分かれて一覧になっています。
このとき、複数のバッファを使う/使っていた方の手順表であれば、バッファの数だけシートが分かれています。
余談ですが、この手順表の形式に則って、目隠しキューバーのためのツール「hinemos」の手順表としてインポートすることができます。手順表の全体をコピーして、hinemosの手順表に張り付けましょう。すると手順クイズを無限に楽しむことができます。
課題は何か?
この手順表を見ながら練習していくわけですが、 「自分はこういう手順で回している」ということを他のキューバーに伝えるときには、ステッカーと手順で会話をします。 目隠しキューバー同士は記号だけで会話ができる不思議な生き物なのです。
会話例:
「UFR-RBU-LFUいいのない?」
「UFR-RBU-LFU [R U' D' R': [R' U R, D]] どうですか」
「いいね!」
実に心温まるやりとりですね。 しかし、これは手順とステッカーの対応をすべて暗記している目隠し強者だけに許された特権的会話です。3-Style初心者にはなかなか追いつけません。
そもそもこの会話に参加するためには、次のような手順を踏まねばなりません。
- 3-Style手順表から該当する手順を探す
- 該当するセルにある手順をコピーする(ここでは
[R U' D' R': [R' U R, D]]
) - その手順を表す2つ目/3つ目のステッカーを特定する(ここでは
RBU
とLFU
) - 自分のバッファを思い出す(ここでは
UFR
) - テキストエディタにバッファ、ステッカー、手順をそれぞれペーストする。
- Twitterなどで相手に伝える
実にステップが多くて面倒です! こんな単純なコピー&ペースト作業を行うことは重大な人権侵害に当たります。さあ自動化しましょう! というのが、今回のスクリプトを書く動機となりました*2。具体的には、3-Style手順表でお世話になっているまっさんがこの問題を提起してくださったので、それを実現するためにちょっと手を動かしてみよう、というのがスタートでした。
3styleのスプレッドシートで一行目と一列目にナンバリングがあって、それが交わるセルに手順が書いてあると思うのですが
— まっさん (@MST_hobby) 2020年4月21日
任意の手順を、UF (1文字目) (2文字目) (手順)の形式で素早くコピーする方法ってありますか?
あったら教えてくださると嬉しいです🙏
どのように解決したか?
上記の課題に対し、 Google Apps Scriptを利用して、バッファ/ステッカー/手順をパースして出力するスクリプトを実装しました。
実装の詳細については気が向いたらここに追記します。
インストール方法や使用方法については、GitHubリポジトリを参照してください。
簡単な利用方法と機能紹介の動画を作りました。これを見ると雰囲気がわかるでしょう。
実際の使用例
これを使うと、バッファ/ステッカー/手順だけでなく、自分のLettering Schemeに沿ったレターペアもあわせて出力ができます。 実際に使うと次のような感じですね。
さし UFR-LDF-LBD [R' D R: [D, R U R']] (Uプッシュバージョン)
— かわむ (@kawam1123) May 13, 2020
先輩諸兄の意見を賜って、Uプッシュで練習してみた。なるほど、これはよいものだ! pic.twitter.com/YAeAMAjcIq
こうやって「自分はこういう手順をこの指使いでやっていますが、いかがでしょうか?」と目隠し先輩諸氏に問いかけるために非常によいツールになりました。満足!
さらに便利な機能を追加:手順展開とキャンセル
詳細は省きますが、 3-Styleの手順ではセットアップとコミュテータの間で手順のキャンセルが頻繁に発生します。 このとき、キャンセルも含めた一連の手順として覚えておかないと、回すときにもたついてしまいます。
たとえば例に出した [R U' D' R': [R' U R, D]]
を考えてみましょう。
これは私のレターペアでは めせ に当たる手順です。単純にセットアップ表記(Conjugate)とコミュテータ表記を展開すると次のようになります。
[R U' D' R': [R' U R, D]]
の手順を展開する:
→R U' D' R' [R' U R, D] R D U R'
//セットアップを展開する
→R U' D' R' (R' U R D R' U' R D') R D U R'
//コミュテータを展開する
→R U' D' R' R' U R D R' U' R D' R D U R'
//これでいいか?
このとき、セットアップの最後の R'
とコミュテータの最初の R'
をキャンセルすることができます。 つまり、この手順を回す上では、次のように覚えておくとよいのです。
[R U' D' R': [R' U R, D]]
→R U' D' R2 U R D R' U' R D' R U D R'
そこで、 この手順内でのキャンセルをうまく処理して展開するために、手順展開機能を実装しました。 特にコーナー3-Styleに出てくるようなキャンセルについてはすべて処理することができます。(エッジの Rw M
= R
とするようなキャンセルは未実装)
これは自分で手順を理解する上でも便利に使える機能ができた、と思っています。複雑にキャンセルする手順もありますので、すぐに手順に展開できるのは便利です。
例 UFR-RBU-BDR
[U' R: [R' D R D', B2]]
→U' D R D' B2 D R' D' R B2 R' U
おわりに
4/21にまっさんのツイートを見て「そうだ、作ってみよう」と思ってから、思ったより時間が経ちました。少しずつバグ修正をしたり機能追加をしているうちに、自分にとってどんどん便利なツールになっていくのが嬉しいですね。
「自分が抱えている課題を解決するためのツールを作ってついでに公開しておく」というのは、非常にいいやり方かもしれません。 (少なくとも1人はそのツールによって助かる人がいる、ということですから)
Google Apps Script、ほとんど初めて触りましたが、気軽で楽しいツールですね。また思いついたら機能追加していきます。そして3-Styleを使いこなせるようになります!
(おしまい)
おまけ:初学者のための参考資料
本記事ではまるで触れませんでしたが、3x3x3目隠しの基本的なテクニックについては、先人たちの叡智たる記事がたくさんあります。これから目隠しソルブをやってみたい方は、ぜひ色々読んでみるといいでしょう。
入門記事
動画チュートリアル
大村さんの日本語解説動画
OP/OP法を解説するプレイリストと、最近公開された「一週間で攻略しよう」という解説動画です。
SpeedCubeReviewによる解説
網羅的な解説です。この動画だけでなく、上記の記事の解説と合わせて視聴すると理解しやすいでしょう。OP/OPとM2/OPそれぞれの解説があります。
Jpermによる解説
みんな大好きJpermです。ちょっと早口ですが、必要な要素はすべてまとまっています。これを見て理解を確認するのもよいでしょう。
スピードキューブ2019年の成果まとめ
スピードキューバーのみなさま、おはようございます。今年はずっとキューブのことばかり考えてました、かわむです。
2019年も終わりに差し掛かりましたので、今年を振り返ってみようと思います。2018年の8月にキューブを始めてから、もう一年以上経ちました。スピードキューブ関係では色々と新しいことができて、非常によい年になったと思います。 特にスピードキューブ競技の記録更新にフォーカスをあてて、今年がどんな風だったのかを見てみようと思います。
キューブを始めてから1年間の進捗については、8月に書いた記事があります。自分自身の備忘として確認するのに便利でした。まとめておいてよかった! kawam1123.hatenablog.com
目標管理:年内目標は公式sub-20
[2019年の目標設定]
— かわむ (@kawam1123) December 31, 2018
3x3: Ao100 sub-20 Single sub-15、公式Ao5 sub-20
他の競技:OH sub-40、3BLD成功、2x2 sub-8、4x4 完成、5x5 完成
大会参加2回以上、その他コミュニティ活動に参加
まず、昨年にキューブを解き始めてから細々と続けていることですが、あらかじめその月の目標を設定しておいて一か月後に振り返るということをやっています。一か月のあいだで、モチベーションが維持できなかったり、もともと想定していなかった新しい競技にハマったり、単に忙しかったり体調が悪かったり、様々な要因から目標を達成できないことは多くありました。
しかし、「これをやるぞ!」とあらかじめ決めておいて、できたかどうかを確認することは、何か新しいことに取り組むのにわかりやすくて効果的なフレームワークです。その月の目標をTwitterの固定ツイートにしておいて、折に触れて目に入るようにしました。
さて、2018年末に設定した2019年の目標設定ですが、わかりにくいので表形式で一覧して見てみましょう。おおむね達成できたように見えますね、よかった。
競技 | 指標 | タイムなど | 達成状況 |
---|---|---|---|
3x3x3 | Ao100 | Sub-20 | 7月上旬に達成! |
3x3x3 | Single | Sub-15 | 達成! |
3x3x3 | 公式Ao5 | Sub-20 | 9月の綾瀬秋大会で達成! |
OH | Ao5 | sub-40 | 達成! |
3BLD | Single | 成功 | 達成! |
2x2x2 | Ao5 | Sub-8 | × |
4x4x4 | Single | 完成 | 達成! |
5x5x5 | Single | 完成 | × |
自宅での非公式タイムについては、CubePBの個人ページにまとめています。記録の履歴はタイマーアプリで取っているので、ここではその都度の非公式PBをまとめています。非常に使いやすいサイトなので、自分のタイム一覧を作って管理したい方は使ってみるといいかもしれません。
一年間を公式タイムで振り返る Cubing China Annual Summary
公式記録についてはWCAの個人ページでもわかります。さらに、Twitterのタイムラインで拝見して面白いと思ったのが、Cubing Chinaが提供しているAnnual Summaryです。 その年の公式記録を一年前のものと比較して表示してくれるので、自分がどれだけ記録を更新したのかがすぐに確認ができる優れものです。これはよいものです。
Cubing Chinaの個人ページ一覧から自分のWCAIDを探して、2019 Annual Summary ボタンを押しましょう。
結果の概要
8つの大会に出場し、95回の試技をしました。
3x3x3の平均は4回も更新していたんですね。
単発および平均記録の推移
おそらくここが本サイトの一番素晴らしいところでしょう。 昨年も同じ競技の記録を持っていれば、去年の自分とのタイムの比較ができる!というのは、スピードキューバーにとってはたまらない機能です。
私は2018年末の日本大会が最初の大会だったので、比較できるのは(そのとき参加した)3x3x3しかありません。
単発記録は22.88 から 14.64へ、平均記録は23.63 から 18.92へ、それぞれ成長しています。あまり早い成長ではないかもしれませんが、わずかでも進捗がわかるのは嬉しいことです。このままいつまでも20秒前後でウロウロしている…ということにならないように気を付けたいです。
競技が増えていく
3x3x3以外の公式競技にも多く取り組みました。 今年公式競技としてやったのは上記の8種目です。
上述した年間目標を立てたときには、まったく考えてもいなかった競技をやっているのが面白く感じます。特に、3x3x3複数目隠しと3x3x3足をやるとはまったく考えてもいませんでした。どちらも私とってはかなり楽しい競技です。2019年中で3x3x3足競技は公式種目からは外れてしまうのが残念です。
オフ会や大会に参加すると、私がやっていない競技を楽しそうにやっている方を拝見することが多いので、少しずつ増えていってしまうんですよね。興味が出たタイミングで新しい競技をやってみては、さらに別な競技をやってみる、という飽きっぽいスタイルでしばらく続けていこうと思います。これまでの感じからしますと、だいたい突然やりたくなって、突然やらなくなっています。
スクエア-1も急にやりたくなったので、やりました。 まだスピード競技用の解法がまったくできませんので、これから手順を調べて覚えていくようにします。 kawam1123.hatenablog.com
FMCも情熱のあるうちに楽しみました。 FMCアドベントカレンダー、素晴らしい企画でした。FMCは非常に楽しいので、来年もう少し深めていきたいですね! kawam1123.hatenablog.com
目隠し競技もできるようになりました
2月の綾瀬大会ではじめて目隠しの試技を拝見して、隣に座っていた北村さんに目隠しソルブの基本的な考え方を少しお教えいただきました。北村さん、きっかけをくださってありがとうございます。
これも突然やりたくなったので大会の翌日から3x3x3目隠しの解法を調べ始めました。 大村さんのOP/OPの動画や、M2/OPの解説動画などを参照していって、どうにか解けるようになりました。どうにか公式の単発記録も残せました!来年は平均記録ですかね。
3BLDの初試技、2:30くらいで単発記録が残った!やったー!
— かわむ (@kawam1123) 2019年6月1日
2試技も同じくらいのタイムで成功。
3試技は、EOで失敗してDNF。惜しくも平均記録を逃してしまった…。次の大会での課題ができた、と前向きに考える。 pic.twitter.com/3r6OTXeKoN
そして、3x3x3目隠しの記録を残す前に、PBQ Tokyo 2019にて複数目隠しの記録も残すことができました!(2/3、1ポイント)
実はこれが公式大会での初めての目隠し試技であり、非常に緊張しながらやりました。目隠し種目とFMCだけという非常に特殊な雰囲気の大会でしたが、とても思い出深い大会になりました。勇気を出して参加して本当によかったです。この大会の前には時間が取れるたびにMBLDをやっていましたねえ。
MBLD、2/3成功した。1ポイント。なんとか公式記録が残りました。
— かわむ (@kawam1123) 2019年3月31日
4x4x4目隠しについても取り組みをはじめていますが、まだ成功したことはありません。センターだけはどうにか揃えられるようになりつつあります。
CFOP以外の解法も少しだけ:Roux 30秒ちょっと
11月の日本大会終了後、急にやりたくなってRouxメソッドを覚え始めました。 最もメジャーな解法であるCFOPとは異なり、M列を多用しながら揃えていくので、LSEを揃えているときにキューブがまったく持ち替えられないのが特徴的な解法です。前々からカッコいいなあと思っていたので、やる気の燃え上がったときに一気にやりました。基本的なFBとSBの作り方と、EO手順とCMLL手順を覚えました。まだAo100でsub-30できないのですが、ブロックビルディングという考え方が新鮮で、楽しみながら取り組んでいます。Rouxを始めたご縁で、Roux忘年会(3名)なんてのも開催できました。うえしゅうさん、ゆーきさん、ありがとうございます。
片手でも解けるようになりました
非常に好きな競技の一つが3x3x3片手(One-handed、通称OH)です。まだ覚えたてなので、どんどんタイムが速くなってのが楽しいのです。片手用日本大会では無事にPBを更新して、25.59/31.18という公式記録を手に入れることができました。カットオフを無事に回避した!というだけで嬉しくてたまりません。
redditのユーザーであるPianoCube93さんの作成した片手用PLLガイドに取り組んだことが非常によいスタートになったと感じています。元のポストでは、指使いのアニメーションGIF(ゆっくりバージョン/通常バージョン)が閲覧できるので、視覚的にわかりやすく、「OHのPLLはどうやって回すとよいのか」を考える最初の一歩として非常に役立つと思います。このガイドを画像付きで一枚にまとめたPDFも作りました。
大会参加回数は8回
2019年は8つの大会に参加しました。そのなかで同じ大会に出ていて、会ったことがあるであろうキューバーの一覧が出力されています。これは統計情報を経なければ、なかなかわからないところですから、面白いですね。
振り返って考えてみますと、2019年は関東近県で開催された大会にはほぼすべて出場しました。ここ一週間ほどの間で、2019年の成果をまとめていて一番驚いたのはここです。8回も大会に参加するなんてまったく想像もしていませんでした! (年内目標では2回くらいは参加できればいいなーと思っていた程度です) 参加しなかったのはFMC Asiaくらいでしょうか。
これは、ちょうど参加できるような場所と時期に多くの大会が開催されたことが非常に大きい要因でしょう。大会運営をリードしてくださっている、運営メンバーおよび担当デリゲートのみなさま、いつもありがとうございます。今年は私も微力ながら大会運営のお手伝いをさせていただく機会がありました。まだまだわかっていないことが多いですが、大会をひとつ開催するにも多岐にわたる検討事項やタスクがあるということを知りました。 これをボランティアのメンバーだけで運営していっている、というのは素晴らしいことです。そして同時に、特定の運営メンバーや担当デリゲートにかかる負担が大きく、難しいところです。このあたりは色々な方が思いを持って検討し、議論し、今後どうしていけばいいのかを考えているところと思います。2020年は私も私にできることを増やしていきたいですね。
そのほかの成果
公式大会での記録更新のほかに、どんなことをやったでしょう。
大会運営のお手伝い
少しずつ大会の運営に関わらせていただくようになりました。競技者の手元をクローズアップした映像を会場向けに投影してみたり、競技風景をYoutube Liveでライブ配信してみたり、スケジュールやCubecompsのライブ結果をプロジェクタで表示してみたり、大会に関する情報表示/情報展開まわりのところを主にお手伝いさせていただきました。世界大会2019のライブ配信が非常に面白くて、あれと同じようなことを日本の大会でもやりたい!と思ったことが強いモチベーションになりました。
いくつかの大会で試験的に実施しながら進めてきましたが、日本大会では(それなりに)ちゃんとしたライブ配信ができたように思います。決勝競技の撮影およびライブ配信をやりました。一緒に配信チームをやらせていただいた諸岡さん、幸地さん、山脇さん、本当にありがとうございました!
実は大会配信が無事に終了した!という情熱だけでまとめた記事もあります。日本大会の2日目終了後、ホテルでばーっと書いただけのものです。なぜか英語。(このあたりの検討事項や機器構成、苦労したことなど、別の記事にちゃんとまとめたいですね)
コミュニティ活動への参加(オフ会やキューブミーティングなど)
2019年はさまざまなキューブコミュニティに参加させていただき、多くの素晴らしい知己を得ることができました。 お会いしたことのある方が増えていくたび、別の大会やオフ会などに参加した折にお話しできる方が増えていって、非常に楽しい一年を過ごすことができました。今年もたいへんお世話になりました。関東近県以外の大会には参加したことがないので、お付き合いのあるのはそのエリアの方がほとんどですが、キューブ上級者は空気を吸うように大会遠征をされるため、関東以外のキューバーにもお会いすることができました。 来年は私も大会遠征などしてみたいですね。まずは西日本エリアでやる大会に行こうかなかなあ、と考えています。
今年お邪魔させていただいたコミュニティとしては次のようなものがありました。いつも楽しく参加させていただいております!
- 与野ルービックキューブサークル (YRCC)
- 横浜綱島キューブサークル (横綱キューブサークル)
- 東京くるくる会
- 首都大学東京ルービックキューブサークル (MRCC)
- トライボックスミーティング
- 大人キューブ会(大人のためのキューブ勉強会)
大会運営に限らず、コミュニティを継続的に運営されている方は本当に素晴らしいと思います。将来的なスピードキューブの競技人口を増やすための初心者講座の取り組みや、同じ趣味を持つキューバーがある交流会など、様々な形態があって、定期的にキューバーにお会いすることができるのは、非常に恵まれた環境だと感じます。そして、何年も継続的にコミュニティを維持している方がいるのには、驚きを隠せません。素晴らしい取り組みです。
余談:大人キューブ会やります
上記のようなコミュニティのメリットを享受してきた身でもあるので、自分でも何かやりたいなあ、と思って考えていました。特に大人世代のキューバーの知り合いを増やすことができた、平日夜の大人キューブ会に相当するイベントをやりたい!と考えていたところ、有志で名前を引き継いでそのまま大人キューブ会っぽいものを開催してみることになりました! まずは年明けすぐに一度やってみようと思っています。ご興味のある方はぜひご参加ください。
経緯や今後の展望についての運営メモはこちらをご参照ください。
「まずは何回か継続してやってみよう」という本当にスタートしたばかりのフェイズですが、参加する方のスピードキューブのレベルや興味に限らず、「いい時間を過ごすことができた!参加してよかったなあ!」と思って帰ることができるような会をやりたいと思っています。うまくできるかどうかは、2020年の目標に入れて、ちゃんと目標評価をしなければなりません。
おわりに
来年も引き続きキューブを続けていきたいなあと思うことが多い一年でした。 そして、私は来年の1月で33歳になります。スピードキューブ的には非常に縁起のいい年齢だと思いませんか?来年も楽しんでキューブをやっていきたいですね。
みなさま、今年も大変お世話になりました。来年もよろしくおねがいいたします。ぜひ大会やオフ会などでお会いしましょう!
おしまい。
スクエア-1の解法を知らないまま解いてみた(再現性なし)
スキューブとかスクエア1とかできないのだけれど、どうやったら楽しめるようになるかしら。
— かわむ (@kawam1123) 2019年12月24日
急にスクエア-1が解きたくなった
スピードキューバーの皆様、こんばんは。かわむです。
クリスマスの夜に突然 「そうだ、スクエア-1を解いてみよう」と思い立ち、もろもろ試行錯誤の結果、二日後に無事解くことができました。解き方をほとんど知らない回転パズルに対して、試行錯誤しながら少しずつ探索を深めて行く過程が面白かったので、自分自身の備忘として記録しておきます。
念のため申し上げておきますと、本記事を読んでもスクエア-1が解けるようにはなりません。 解き方を知りたい方は、インターネットの海で解法を調べましょう。
スクエア-1って何?
こんな外観の回転パズルです。大きさはほぼ3x3x3と同じですが斜めに切り込みが入っており、少し回すとすぐにトゲトゲした形になります。
2018年11月に購入していたようで、家に置いてありました。Triboxさんで「マイナーパズルセット ベストチョイス」という3点セット(ピラミンクス、スキューブ、スクエア-1)を買ったことがあって、その中に含まれていたんですよね。シールから判断すると、X-Man Designのものだろうと思いますが、具体的な製品名は何でしょうね?磁石は入っていないように見えるので、X-Man Design Square-1 Voltというものでしょうか? 家にこれしかないので比較もできません。
これはWCA公式大会の17種目に入っているパズルの一つですが、私はこれまでに解法を覚えて解いたことがありませんでした。ただし、公式競技の一つとしてそれなりに多くの競技者がいるため、公式大会やオフ会などで誰かが解いているのを見たことはありました。3-Styleの気持ち悪い特殊な指使いと似ていて、U面とD面が高速で移動しながらR2をたくさんしているうちに、魔法のように揃っていく謎の物体、という認識でした。
解き始めるまでに、事前知識として知っていたのは、次のようなことでした。つまり、「門前のキューバー、習わぬスクエア-1を解く」ということはなく、基本的なことしか知りませんでした。
私がスクエア1について知っていること
— かわむ (@kawam1123) 2019年12月25日
・立方体ではない!
・トゲトゲ形状をどうにかして四角くする(成形)
・成形手順はたくさんあるらしい
・キューブ状になったらなんやかんやすると揃う
・(1,-1)みたいな謎の回転記号を使う
・U-permみたいなものがある
・踏むと痛い
また、すでにスピードキューブ向けの解法が探索されているようで、いくつかリソースをたどれば解き方を調べて完成させられる!ということは何となくわかっていました。そして、ちょっととっつきにくい形状しているからか、解法を見ずに自力で解こうとする人はあまり多くないのだろうと思っていました。最初は「本当に解けるのかな、これ…」と思っていましたが、Twitter上のアンケートでキューブ関係者に伺ったところ「1日で解けた」「1週間で解けた」という方が10%超いらっしゃったので、人知を超えるほど難しいパズルではないのだろうと思い、安心しました。
Square-1、解法を見ないで試行錯誤すれば
— かわむ (@kawam1123) December 25, 2019
スクエア-1についての事前知識が少なかったことから、「自分で試行錯誤を繰り返しながら、パズルの解き方を考える」という本来のパズルの楽しみができる数少ないものだったので、とりあえずやってみようという軽い気持ちでスタートしました。Twitterのタイムラインで別のパズル(マスタースキューブ)を自力で解こうとされていた方がいらっしゃったので、それに刺激を受けたのです。
まずは動きを観察する
さあ、やってみましょう。ハッシュタグは#square1challengeです。
スクランブルする前に、いくつか3x3x3の既知の手順を回しながら、巡回手順を探します。このような回転パズルに共通する特徴として、同じ手順を有限回繰り返せば、いつか必ず元の状態に戻るというものがあります。ちょっと特殊な形をしているスクエア-1でもきっと同じだろう、と思いながら、初期状態を崩さない範囲で巡回する手順を探していきます。
完成状態から、R2 U R2’ U’を繰り返してみる。5回で循環して戻った。
— かわむ (@kawam1123) 2019年12月25日
えーと、これを/(3,0)/(-3,0)みたいに書くのかしら?スラッシュがR2に相当。15度ずつ書くんだっけ…記法がわからない。 pic.twitter.com/v3ydzf7QwE
この時点で気づいたこと、驚いたこと
- あっという間に四角くなくなる。こわい。
- 回転が30度単位。小さいパーツと大きいパーツがある。
- そもそも持ち方がわからない。(赤F、黄Uのようにして持つのが標準的らしい?)
- U面とD面を交換するときにR2のように回すが、軸があっていないとR2できないことがある!
- E列は左右非対称。U2 D2 R2を繰り返すと、E列だけが反転する場合がある。
1日目:スクランブルして、始める
少しずつ巡回する動きがわかってきたところで、ようやく四角い形を捨てる勇気が出ました。正しい回転記号もまだ読めませんので、適当に上を崩して下を崩して、とやります。どこまでやれば十分にスクランブルされたことになるのかわからなかったので、上下が完全に四角ではなくなったあたりで中断しました。
さらにぐちゃぐちゃにする
どうやらまるでスクランブルできていなかったようで、さらにぐちゃぐちゃにします。 ウーム、基準がわからない…。このくらいでいいのでしょうか?という気分になりつつ、ようやくスクランブルを終えます。
小並感のある感想
- U面を動かしてR2(スラッシュ?/記号)するだけではスクランブルできないように見える。
- 小さいパーツ(30度)がいくつか集まると、角が鈍角になるため、フィンガートリックが非常にやりにくくなる。
まずは四角くすることが大事らしい
前述のように、まずは四角い形にする(これを「成形」と呼ぶらしい)、そこから何らかの手順をやることで完成するパズルであることがわかっていたので、どうにか上下を交換しつつ四角い状態に持っていけないか試行錯誤を始めます。
当面の指針
- 最初の時点で、成形するためには大きなパーツ(60度)と小さなパーツ(30度)が交互に挟まれるようになればよい ということに気づいたので、これを目指して進めていきます。
- 同時に、大きなパーツだけあつめて花びらっぽい形も作れるみたいだということにも気づきました。芸術点の貰えそうな図形がいくつもできます。
- 白いパーツ8個。黄色いパーツ8個。これがそれぞれエッジ4つとコーナー4つに相当するが、エッジとコーナーの場所を入れ替えることができるように動く。
- R2(スラッシュ?縦回転?反転?)したときに上下のパーツの個数は維持されない。角度のみが維持される。
- 四角くする→U面の色を揃える、まではできそうだと思ったが、どうやってPLLみたいのをすればよいのか謎が残る。
いつのまにか四角くなった!成形!
ついに四角い形に戻すことに成功しました!成形! この前後で、成形するためにはその一歩手前の形にしてからR2をする必要があるということに気づいていました。後日描いた絵がこちら。
この右図のような形状になってからR2すれば、無事に成形が終わるわけですから、この形に持っていくためにはどのようなU面/D面の形状にすればよいのかを連鎖的に考えることで、成形することができました。このフェイズは手順や回転記号を意識するというよりも図形の形状のパタン認識処理をしながら一歩ずつ進んでまた戻るということをしていたように思います。(もちろん、スピード解法においては「このパタンが来たらこの手順!」と1-Lookでやるのでしょうけど)
ここから3点交換の手順を探すが見つからず、力尽きる
また四角くしました。
— かわむ (@kawam1123) December 25, 2019
暫定的に小さいパーツをエッジ、大きいパーツをコーナーと呼ぶ。
エッジだけ、あるいはコーナーだけをを三点交換するような手順があるのではないか?と少しずつ動かして探索中。
困難は分割していこう。#square1challenge pic.twitter.com/jRptUnujpU
さて、どうにか四角くすることができたので、あとはU面とD面の色を揃えていくフェイズになりました。おそらくOLLに相当するような1-Lookで揃える手順があるのでしょうが、私にはわからなかったので、エッジだけ、コーナーだけを動かして交換できるような手順はないか?という点に絞って探していきます。
まず、上下のエッジを交換する手順が見つかりました。 実はこの時点で、自分だけがわかる回転記号を作って、メモしながら解くようにしていました。U
やU2
は3x3x3と同じように90度回転しますが、U(1)
(U方向に30度回す)やD'(1)
(D'方向に30度回す)などの記号を作りました。この記法でいうところの、 U(1) R2 U'(1) R2 U2 R2 U2 R2 U2
という手順によって、上下のエッジ2点が交換されることがわかりました。
(本来の回転記号でいうと、 (1,0)/(-1,0)/(6,0)/(6,0)/(6,0)/
)という手順になります。)
しかし、なかなかコーナーについては見つかりませんでした。U面どうし、D面どうしで交換する手順の組はいくつか見つかるものの、U面とD面のステッカーどうしを交換する手順がなかなか見つからず、四苦八苦していました。
1日目はここで力尽きて終わりました。
パーツのの動きを追いかけよう
U面とD面のあいだで同じ色のパーツが交換されることもありうることに気付きました。なので、パーツの動きを正しく追いかけるためFMCのようなステッカーを貼って試行錯誤していました。これがかなり効果的だったように思います。1日目終了時点で、こんな感じです。
2日目:実は4点交換の手順を見つけていたことに気づく
朝起きて気づいたが、エッジを揃えるための4点交換と思っていた手順でコーナーの上下交換が起こっている!
— かわむ (@kawam1123) December 25, 2019
うまく偶奇をいじって交換していけば、U面揃うのではないか…。
#square1challenge
2日目です。翌朝目覚めて、上記の手順でコーナーも同時に交換されていることにようやく気付きました。 なぜ1日目の時点で気付かなかったのか…。
この手順を使うと、エッジとコーナーをセットにしたものが4セットあると考えたときに、その4点を交換できます。([DF,DRF]-[UB, URB]と[UR, URF]-[DR, DRB]が組になって交換される) この手順はあとあとも長く使うようになりました。
日中は実物がないので頭の中で考える
日中はスクエア-1の実物を持ち歩いていなかったので、パーツの交換を頭の中で追いかけたり、成型後の状態を記述するための記法を考えたりしていました。
手元に現物がないので、絵を描きながら考えてる。
— かわむ (@kawam1123) December 26, 2019
また、U面とD面の状態を簡易的に記述するための記法を作った。 二色しかないからバイナリで表せるはず。成形後に限るけれど。#square1challenge pic.twitter.com/AjdwYW7lIO
U面を揃えるための手順を探す
ここまで、便宜的に30度の小さいパーツをエッジ、60度の大きいパーツをコーナーと呼んで進めてきました。上下で1つずつエッジが揃っていない状態になると、90度単位の回転ではどうやっても揃わないということに気付きます。 90度単位の回転では、エッジとコーナーがそれぞれ同じセットになった状態で動いてしまうため、どうやってもエッジだけを揃えることができないのです。
そこから決まった手順を思いつかずに試行錯誤しているうちに、U面とD面の色が揃いました。
一度形状を30度単位で変化させないとU面は揃えることができなかった。
— かわむ (@kawam1123) December 26, 2019
U/D面揃った。あとはPLL的なものを探す。これも同様に形状を変化させないといけないはずだ。#square1challenge pic.twitter.com/zWifCP8fOa
あとはコーナーを揃えるだけ!と思いましたが、なかなかよい交換手順が見つかりません。1時間ほど格闘しますが、まったく見つかりません。
対面エッジの4点交換が見つかる
コーナーを揃える手順を探していたのに、なぜかエッジを交換する手順が見つかりました。 (1,0)/(-1,-1)/(0,1)
というかなりシンプルな手順であり、なぜこれまで見つけられなかったのかわかりません。ほかのエッジやコーナーに影響しないので、これは3x3x3でいうM2と同等の操作であるということがわかりました。 いい感じの手順です。M2ができるならMやM'の手順もあるのでは?と考えながら、少し探索しましたが、見つかりません。(もし見つかっていたら、あとはRouxっぽく解けばLSEが揃わないかな?と期待していました…)
UF-DBとUB-DFの対面エッジ四点交換の手順を見つけた!コーナーおよび他のエッジは動かない。
— かわむ (@kawam1123) December 26, 2019
記法に自信はないが、(1,0)/(-1,-1)/(0,1)ということかな?
手元のメモでは、「U1/U’1,D’1/D1」という記法を使っている。U1がU方向に30度回転する記号。添字方式。#square1challenge
隣接するエッジのみの上下4点交換が見つかる?
この2日目の夜にいろいろ有益な手順が見つかりました。
エッジのみ4点隣接交換手順を発見した!これでエッジの上下を含むOLLは揃えられるようになったぞー。
— かわむ (@kawam1123) December 26, 2019
U面、H-permみたいになったが、D面が揃わないままでいるので気持ち悪い。
PLLはちょっと違う考え方が必要そうだな…。ウーム。たぶん上下がまとめて揃う、はず。#square1challenge pic.twitter.com/yQ06dVgsmj
おそらく最適な手順ではないのであまり書かなくてもよいのかもしれませんが、下記のような手順をやるとU面とD面のあいだで激しくエッジとコーナーが入れ替わります。このときはうまくエッジだけを交換できる手順ではないかと思って喜んでいたのですが、あらためて見るとほかのエッジやコーナーも影響されていますね。
(1,0)/(-3,-1)/(3,-3)/(3,-3)/(-2,0)/(-1,0)/(6,0)/(6,0)/
このあたりで2日目はタイムアップです。
3日目:引き続き試行錯誤を繰り返す
帰宅してからすぐにスクエア-1のステッカーを貼りなおしました。コーナーが回転するわけではないのですが、手順の実行前後でコーナーの向きがどう変わるかを観察するために、FMCのインサートのような貼り方に変えました。
ステッカーの貼り付け方を変えた。FMCスタイル。コーナーは向きも重要だと気づいた。
— かわむ (@kawam1123) December 27, 2019
4つのコーナーが巡回して、エッジも上下で1つ交換される手順を見つけたので、もう少し観察してみる。
#square1challenge pic.twitter.com/XZLpxg0RYd
長い交換手順が見つかる
U面3つのエッジとD面3つのエッジ、U面2つのコーナーとD面2つのコーナーが、それぞれ6点交換と4点交換を繰り返す巡回手順を見つけました。 手順を回してどこが交換されたかを確認するだけでも一苦労です。上記の激しく交換される手順を元に、(1,0)/
してからD面を何か動かして元通り成形される手順はないか、というのを探索していたら見つかったはずです。
エッジとコーナーをセットにして交換することを考える
単に成形状態を維持したまま交換するというのだけでは限界があるように感じたので、ほかの巡回手順(たとえばsexy move)などを間に挟んで、セットアップ&逆セットアップのように交換できないかを考えていきました。たとえば次のように巡回手順と交換手順を順番に並べて、任意の場所が交換されないか、というのを探索していくようなやり方です。結局この手順はぜんぜん役には立ちませんでしたが…。
巡回A (1,0)/(-1,2)/(0,1) 交換B (1,0)/(-1,-1)/(0,1) 巡回A’(0,-1)/(1,-2)/(-1,0) ABA’=UF-UR, DL-DF
気づいたら揃ってた
そんなことをしばらく繰り返していると、えっ? あれっ、揃った!? という感じで揃いました。
うおおおお、ついにスクエア1が揃ったああああ! #square1challenge pic.twitter.com/yim2lgPmhO
— かわむ (@kawam1123) December 27, 2019
最後どのような交換に持ち込んでそろえたのかは、再現性のある手順にまとめられませんでした! しかし、揃ったものは揃ったのです!と思いながら、しばらく喜びの舞いを踊って過ごしました。 まったく合理的な手順ではないというのに…。
おわりに
解いている間には封印していましたが、これからスクエア-1を解くためのスピード解法の情報を調べるのを解禁します!
日本語でも英語でも、それなりに多くのリソースがあるようですから、時間をかければもっと効率的に揃えられるようになるでしょう。今回試行錯誤したことの一部も解法に組み込まれているでしょうから、まったく新しく学ぶことにはならないと思います。スピードキューブ界隈の先人たちが魔法のような手順や概念を発見/開発してくださっていることでしょう。スピードキューブはこのあたりの公開されているリソースが非常に潤沢なので、新しく始める者にとっては非常にありがたいなあと感じます。
参考:あのJ permも同じようなことを(もっと洗練されたやりかたで)やっています
これは解き終わってから気付いたのですが、かのJ Permもチュートリアルを読まずにスクエア-1を揃えるというチャレンジをやっていたようです。(2019/08/09))
私のように行き当たりばったりと試行錯誤をしていったのではなく、「Jpermさえ見つけられれば隣接エッジの交換もできるはずだし、Npermが来ても大丈夫!」という発想のもと、J permに相当する手順を探し出して解いています。 ちゃんと合理的に説明できるやり方ですね!すごい!
おしまい。
初学者への付録 (2020/05/22追記)
年末にスクエア-1と格闘してからもう5か月が経ちました。本記事を2019年12月に書いたあと、スピード解法についても基本的なことを調べて練習しました。そして、 2020年2月に開催された「綾瀬2020大会」で初めて公式大会での試技をしました。 (制限タイム2:00はどうにかクリアできる!という勢いで参加)
制限タイムは無事にクリアしましたが、カットオフ1:00は超えられず、単発1:17.85の記録だけが残る結果となりました。スクエア-1参加者のなかで一番遅いタイムになりましたが、非常に満足しました。(満足してしまって、それから全然スクエア-1を回していません)
さて、本記事をきっかけにスクエア-1に興味を持ってくださった方のために、まったくスクエア-1が解けないところから単発1分超にいくまでに参照したリソースをメモしておきましょう。そんな遅いのは嫌だ?もっと早くなりたい?きっと下記の素晴らしいサイトに書いてある内容をよく読めば、あっというまに1:00が切れるでしょう。
日本語記事
- Square-1解法(初級編) - /直方体/ : 日本語記事としてはまずここから。最初にこれを読めば全体像がつかめるでしょう。回転記号、基本的な成形手順、エッジとコーナーの揃え方(CO/EO/CP/EP)、中段とUD面の調整など、揃えるまでのステップがわかりやすく並んでいます。
- Square-1 解法 : 本当に揃えたい初心者向けのステップ・バイ・ステップの解法。画像がずらっと並んでいるだけなのでぎょっとしますが、各手順や形状に楽しい名前がついていて面白いです。スクエア-1でsub-10するksngさんが書いています。
- スクエア1の成形の覚える順番 : タイトルの通り、覚える順番を書いた記事。
- Square-1 (主に中級者向け) - スクエアなど : 「15~25s前後で伸び悩んでる人を主な対象に、自分がsub20程度から11~12s程度になるまでにやったこと」というターゲットの明確な記事。まだぜんぜん理解できません。
英語記事
- Square-1 Tutorial | andrewknelson.com : Andrew Nelsonによる入門記事。パーツの名前、回転記号、成型、CO、EO、パリティ、CP、EPについて順番に解説していくチュートリアルです。冗長な表現も出てきますが、ステップを踏んで覚えていくので非常にわかりやすいです。それぞれに画像がついているのもいいですね。成形するとき形状の名前(kite/kiteや barrel/barrelなど)はここを読んで理解しました。それにしても変な名前!
- Square-1 Full Cubeshape | andrewknelson.com : 上記サイトにある「成形の手順のすべて」。最初から全部を覚えようとしないように注釈付きですが、上級者は成形パタンほとんど覚えているんですよね?こわい。
- CubeZone - Square-1 solution method - Overview : Lars Vandenberghによる解法の解説(2007)。成形の手順について詳述はありませんが「考えうる形状はこれだけだ」とわかりやすく図示してくれています。成形後の手順集として役立つ(かもしれない)サイト。私のタイム帯だと判断すべきパタンが多すぎて、まるで使いこなせていません。
- Basic Square-1 Algorithms Advanced Square-1 Algorithms - Andy Klise : Andy KliseによるチュートリアルのPDF。初心者が学ぶべきアルゴリズムが全部PDFにまとまっているので素晴らしい!これを印刷して手元に置いておけば解けます。
動画チュートリアル
Brandon Linによる動画チュートリアル(2013)。動画を見てようやく持ち方や回し方がちょっとわかってきました。いろいろなパターンについて解説しながら回していくのですが、画面の左側から次から次へとスクエア-1が出てくるので「スクエア-1を何個持ってるの…!?」となること間違いなしです。
そのほか
Tingmanがスクエア-1の解き方を学んで解いてるという動画を公開していました。「こんな手順どうやって覚えるんだよ!」という魂の叫び/泣き言もありつつ、解き方をちゃんと覚えていく過程を軽妙に解説していて、面白いです。Tingman親子のファンです。「これは知ってる手順だぞ。このまえ覚えたやつだ」「ちゃんと解けたぞ!やった!」という学習と達成の喜びを感じられる素晴らしい動画です。ミレニアムファルコン型とか自分なりの名前を付けているのも大好きです。
初めてのTribox Contest FMCでDNFした話 (tribox Contest 2019 後半期 第23節)
スピードキューバーのみなさん、こんにちは。FMC初心者のかわむ(@kawam1123)です。
FMCアドカレの記事を書いて、いい感じにFMC欲が高まっています。なので、初めてTribox ContestのFMC(最少手数競技)をやってみました。 時間を測ってちゃんとやるのは4回目くらいです。制限時間内にちゃんと解答を書くのは緊張して難しいですね。
しかし、最後に解答をまとめてテキストボックスに入力していたときに、入力ミスをしたのでDNFになってしまいました…! 残り時間がぎりぎりになってしまい、入力した解答を最初から回すことができなかったことが大きな原因でしょう。実際の大会でも起こりそうですから、DNFになるのが当然の結果です。
しかし、あまりに無念なので、思考過程をメモしておきます。 個人的には、制限時間内で初めてスケルトンというものを作ることができたので、思い出深い試技になりました。 スケルトンを作ってコミューテータを探して、インサートする場所を考えて…みたいな、FMCっぽいことを少しだけ体験できたので、非常に楽しい時間でした。誰かの参考になるような高度なものではないですが、学習記録の一つとして書いておきます。
先に解答:36手!
インサートして1手キャンセル、36手!sub-40!迷うことなき人生PBです! (まあ実際はDNFだったんですけどねー…)
ほんの少しだけ、スケルトンとインサートみたいなFMCっぽいことができました。
Scramble: R' U' F D2 L2 D2 R' U2 B2 L U2 F' D' F' U' F2 L D R U L F2 R' U' F L2 B' R' D' R L2 D //222 (7/7) R' D R D' R D R' D' //223 (8/15) U2 // F2l-1 (1/16) (R' B' R' B) // EO (4/20) skelton: L2 B' R' D' R L2 D R' D R D' R D R' D' U2 B' R B R * + insertion(*) : R2 B2 R F R' B2 R F' R (9-1/28) insertion(+): D R' U R D' R' U' R (8/36) solution: L2 B' R' D' R L2 D R' D R D' R D R' D' U2 B' R B R' B2 R F R' B2 R F' R D R' U R D' R' U' R (36手)
思考過程
さあ、スタートです!そもそもTribox ContestのFMCのUIを見るのも初めてですから、どうやって始めればいいのかもわからないうちにスクランブルが表示されます。
スクランブル
R' U' F D2 L2 D2 R' U2 B2 L U2 F' D' F' U' F2 L D R U L F2 R' U' F
まずはノーマルスクランブルとインバーススクランブルを紙に書きます。ノーマルスクランブルを見ながら逆に回すような高度なことは、もう少し慣れてからやります。
222から223へ
あらかじめできているペアが何もなかったので、セオリー通りに 1手動かしてペアができるパタンを探すことにしました。次の3パタンが見つかったので、ここから少ない手順で221を作ろうと探索を進めます。
R ... (YGRペア) L2 ... (RBWペア) B' ... (OBYペア)
5分ほど格闘したところ、「B' R U B2 R'」とやってようやく221ができました。5手はちょっと長いなあと思いつつ、メモしておきます。
さらに5分ほど格闘して、222ブロックを作るためには青橙エッジをL2で先に逃がしておけば楽ではないか、と気づきます。そこで次のような手順で222を作って、次に進むことにしました。7手で222ができるのは決して良くはないのでしょうけれど、いまの私のレベルでは満足できるブロックビルディングです。よしよし。
L2 B' R' D' R L2 D //222 (7/7) ... [1]
ここから、オレンジクロスに見立てて、F2Lペアを入れるようにして223に拡張します。たぶんもっといいやりかたがありそうですね。
R' D R D' R D R' D' //223 (8/15) ... [2]
あっというまにF2L-1ができる
ここで非常にラッキーなことが起こりました。U面に221ブロックができています!
まったくの偶然ですが、U'すればpseudo F2L-1の形に持っていくことができますし、U2してF2L-1を完成させてもよいという状態です おお、ようやくpseudo-blockなる概念を実践で見つけたぞ!と心の中では大喜びです。しかし、U2でそろえたほうが普通にF2L-1になって、後が簡単になるだろうと思ったので、U2して次に進みます。さようなら、はじめてのpseudo F2L-1。
U2 // F2L-1 (1/16) ... [3]
いい感じにブロックがそろってきたので、何も考えずにNISSして探索を続けます。どういうときにNISSを使うべきなのか、まだよく理解できていませんから「なんとなく詰まった感じがする」というときにはあまり考えずにインバースに進んでみるようにしています。実際のところ、どういう基準でインバース側に移行するのがよいのでしょうか?
ここまで:S [1] [2] [3] ここから: [3]' [2]' [1]' S'
スケルトンができた!(5CP)
さて、NISSして考えると、R' B' R'とやればR面(LastLayer)のEOが揃いそうなことに気付きます。そのあとにBをすれば、エッジがすべてそろって、コーナーだけ(5CP)の状態に持っていくことができます。
(R' B' R' B) // EO (4/20) ... [4]
これが話に聞くスケルトンというやつですね! こういう形でエッジを揃えることでスケルトンができる、という流れ、初めて実戦で気付きました。偶然にもよい形だったんでしょう。 ところで、記事を書きながらいろいろ確認をしていたところ、この時点でNISSをせずに B' R B Rと回しても5CPのスケルトンできていましたね。NISSした意味がなかったですね…。
スケルトンができたので、NISSを展開する
このスケルトン(と呼んでいいのでしょう)ができた時点で、残り時間は37分ありました。これはちゃんとインサート&キャンセルを探す時間がありそうだ!と思い、まずはスケルトンを展開して紙に書いてみました。1時間の制限時間の中でスケルトンを作るのもインサートを探すのも、初めての試みでした。5つのコーナーが(ねじれずに)配置されているので、3点交換を2回繰り返せば完成状態になるだろうことがわかりました。ですので、うまく工夫すれば最悪でも36手には収まるという状態です。やったー。
この時点で[3]' [2]' [1]' S' [4]という形が得られているので、これを展開すると [1] [2] [3] [4]'の配列が得られます。これはスクランブルに対するスケルトンとして機能します。書き下すと次のようになりました。
skelton(20手): L2 B' R' D' R L2 D R' D R D' R D R' D' U2 B' R B R
こうだな?これでスケルトンという考え方は合っているな!?と心の中で何度も確認をしながら、スケルトンをメモ用紙に書きました。そして、タックシールをキューブの各面に張り付けていきます。どういう風に張り付ければコミューテータが探せるのかよくわからなかったので、ループしているステッカーに1~5までの番号を振っていくことにしました。
ようやくシールを張り付け終わった時点で、残り時間は20分ほどありました。シール貼るのに時間かかりすぎました。
インサートを探してみよう
あとは制限時間いっぱい、インサートしてキャンセルするところを探すだけ!というウキウキ気分です。しかし、慣れていないので時間もなさそうです。 さて、スケルトンの最初から探していきましたが、キャンセルどこからコミューテータの手順さえ一向に見つかりません。そもそも、まだ自由自在にコミューテータを作れるようにはなっていません。
L2 B' * R' D' R L2 D R' D R D' R D R' D' U2 B' R B R
このあたりに[R : UL'U']みたいなコミューテータを入れればキャンセルしそうだなーと思いながら探索していましたが、途中で手順をミスって、最初からスケルトンを作り直すことが何度もありました。コミューテータこわい。
10手ぶんほど探索を進めてから、残りの時間でちゃんと解答ができるか不安になりました。なので、このスケルトンの一番最後に続けて、知っている3点交換手順をまずは書いてみることにしました。
一つ目の3点交換はR2 B2 R F R' B2 R F' R (9手)です。
これはそのまんまAb perm(x R2 D2 R U R' D2 R U' R x')なのですが、最初のR2がスケルトンの最後のR'と1手キャンセルすることがわかっていたので、採用することにしました。
二つ目の3点交換はD R' U R D' R' U' R (8手)です。
残った3点をにらんでいると、ごく普通のコミューテータができたので、採用することにしました。キャンセルはありません。
insertion(*) : R2 B2 R F R' B2 R F' R (9-1/28) insertion(+): D R' U R D' R' U' R (8/36)
この時点で36手なので、とりあえずの解答としては意味を成します。やったー、PB!
まさかこのとき解答をテキストボックスに写し間違えているなんてことは夢にも思いません。
阿呆とはこのことです。次からはとにかく書き間違えないことに気を付けます。反省します。
インサートが見つからないまま時間がやってくる
このバックアップ解答を準備しおわった時点で、すでに残り時間は5分しかありませんでした。早くこの解答を解答用紙にまとめなければなりません。そして、Tribox Contestの解答テキストボックスにタイプしなければなりません。うひゃー、時間がない!急いで書いて、確認して、回して、タイプします!
そしてDNFへ…
最終的にこんな解答を書きました。見本のような書き間違いです。コミューテータで B2 R F R' B2 R F' ...まで来たらR'が来ると思ってしまいました。大失敗です。
L2 B' R' D' R L2 D R' D R D' R D R' D' U2 B' R B R' B2 R F R' B2 R F' R'(ここが違う) D R' U R D' R' U' R
これまで検討してきた正しい解答は次の通りです。R'じゃなくてRですね。
L2 B' R' D' R L2 D R' D R D' R D R' D' U2 B' R B R' B2 R F R' B2 R F' R(こうでした) D R' U R D' R' U' R
このスケルトンでの最適解は?
ちなみに、FMCer御用達の Insertion Finderなるツールで探してみたところ、Pure 3 Corner(2回)のインサートでは7手キャンセルして29手の解答があったようです。ちゃんと探索する時間があったら気付けた可能性もあったのかもしれません。
さいごに
今回は順当にDNFになりましたが、次は速めにスケルトンを作って、インサート&キャンセルを探す時間を確保してみたいと思います。
初めてシール使いましたが、キューブに貼ったタックシールは、ソルブが終わったら自分で剥がさなきゃならないんですね。当たり前のことでした。5CPについて3つのキューブすべてに貼ったので、けっこう面倒ですね、これ。どんなシールを使うのが一番楽なのかも考えないといけませんね。
おしまい。
(同日 追記)21手3CPを教えていただきました!
L2 B' R' D' R L2 D //222 (7/7) R' D R D' R D R' D' //223 (8/15)
223ブロックビルディングあたり。R' D R D'でペアリングしたあと、223へのスロットイン方法を変えてみると一気に3CPへの道が開けていたのでした。えっ、何これ。(例によってうえしゅう大先生にお教えいただきました)
L2 B' R' D' R L2 D //222 (7/7) R' D R D' R2 D R2 D' //入れ方を変えた223 (8/15)、R面に221ができている
ここからさらに次のように動かします。
R' U2 R' //F2L-1かつEOがいい感じ (3/18) F' U2 F//EO揃って3CP (3/21)
あら不思議!21手3CPがこんなところに!
これはまったく気づきませんでした。早くスケルトンっぽいものを作ってインサートしようしようと気持ちが急いており、223へのスロットイン方法を試行錯誤してみる余裕はありませんでした。
F2L#4のスロットインの方法を変えるとLLが変化するのと同じロジックで、223へのペアリングによってもいくつか分岐が作れるということなのでしょう。時間に余裕があるときは、いくつか223のペアリングを考えてみるのもよいかもしれません。今後の課題とします。
それにしても、(おそらく)記事をさらーっと読んだだけでこんなものを発見するうえしゅう先生、本当にすごいです。 いつもありがとうございます。
ちなみにこの方向で突き進むと、optimalは1手キャンセルの28手だったようです。キャンセルしなくても29手。sub-30…。
FMCはじめました:CFOPからはじめて、ブロックビルディングしてみる
- はじめに
- なんでFMCはじめたの?
- 何を使って学習したか?
- 制限時間内のソリューション:CFOP 49手
- もう少しF2Lをいじってみた:CFOP 47手
- 少しだけFMCっぽいことをやってみる:ブロックビルディング+NISS 40手
- おわりに
はじめに
これはFMC Advent Calendar 2019の15日目の記事です。
昨日(14日目)の記事は、発起人であるたむそん(@CubeTamson)さんのFMC Advent Calendar 2019 14日目|たむそん|noteです。ちょっとずつ他の方の記事を読んでも意味がわかるようになってきました。本記事では、私のまだ詳しく知らないEOスタートという手法から始まりますが、インバーススクランブルを使って探索空間を広げていくというやり方はすでにわかっていたので、わかりやすく読み進めることができました。33手が不本意な解答ってすごいなあ…という感想です。(小並感)
明日(16日目)の記事は、ゆーき(@Yuuki_tribox)さんのFMC Advent Calendar 2019 〜Rouxerだからブロックビルディングするよ〜です。Rouxのブロックビルディングの感覚からスタートしてブロック作り始めたらあれよあれよという間に揃っていくので読みごたえがあります。私も11月はRouxに取り組んでいて、その知識がブロックビルディングに生かせないかなーと考えていたところ、Roux忘年会の時にこのソルブのお話を拝聴できました。その場にいたうえしゅう大先生がもくもくとoptinalなインサートを探しているのを横目で見ながら、私はただアヒージョ食べていました。おいしかったです。
本記事のねらいと免責事項
初心者がFMCやりたい!と思ってから、実際にやってみるまでのメモ書きです。 本記事を読むことで、あなたのFMCの知識やスキルが向上することはありません。
ごあいさつ
スピードキューバーのみなさん、こんにちは。かわむ(kawam123)と申します。
2018年の夏からスピードキューブをはじめました。スピードキューブ2ねんせいです。スピードキューブというものに取り組んでから日が浅いので、まだまだやったことのない公式競技がたくさんあります。ちょっと面白そうだなと思ったときには積極的に飛びついていき、キューブの楽しみ方の幅を広げていきたいと思っています。今回はFMCに飛びつきます。
なんでFMCはじめたの?
FMC(最少手数競技)の存在自体はずっと知っていて、大人キューブ会でご一緒している方からは 「落ち着いてできる大人向きの競技だ」「老後の趣味にちょうどいい」 と楽しそうなお話を何度かお伺いしていました。動体視力と瞬発力を競うのではなく、じっくりと腰を据えて楽しむにはよい競技だ、と。なので、FMCは、心の中の いつかやりたい公式競技リスト に長らく載っていました。前に、大人キューブ界隈で集まって飲み会をしたときに、神の領域にいるFMC超上級者が6手詰めキューブを魔法のようにスルスルッと解いてしまう様子を拝見しました。カッコいい!でもFMCこわい! しかし、やりたい気持ちはさらに高まりました。
しかし、年内にどうにか3x3x3でsub-20したいとか、11月の日本大会に向けてどうにか片手のカットオフを通過しようとか、マルチで2ポイント以上取ろうとか、優先順位の高い競技がほかにもたくさんあったので、FMCのことはしばらく忘れていました。FMCのsub-20達成者って世界に12人しかいないのか…!神の領域。 pic.twitter.com/ZqjwXmW94b
— かわむ (@kawam1123) 2019年12月4日
そんな日本大会2019の3日目、自分の出場する競技は全て終わっていたので、気楽な気持ちでFMCのジャッジをしながら競技者のみなさんをぼーっと眺めていました。FMCのジャッジはPBQ Tokyo 2019に続いて2回目でした。本大会では主にライブ配信の担当をしていたのですが、3日目はライブ配信もありません。 「日本大会のFMCに完全密着!生配信!」とやってもあまり面白くなさそうです。「よーし、日本大会終わったらFMCやろう!」と思いながら、競技の様子を見ていると思ったよりも楽しめることに気づきました。
3つのキューブとペンと紙、あとはストップウォッチがあるくらい。こんなに限定された環境なのに、競技者によって競技の進め方はかなり違うように見えました。
- 開始と同時に猛然と回しては解き回しては解き…を繰り返すひと
- 一手動かしてはメモを書き、さらに動かしてはメモを書き…を繰り返すひと
- 左手でOHしながら右手でペンを持って止まらずに書き続けるひと
- ブロックらしいものができたと思ったら急に新しいキューブを持ってさらにスクランブルするひと*1
- スピードスクランブル競技か!?ってくらいスクランブルが速いひと*2
これからFMCをやろう!という気持ちでジャッジをやると、競技者ごとの時間の使いかたを見ることができて、非常に参考になりました。何よりも 真剣に解答用紙に向かっている競技者の顔のカッコいいこと! 思わず競技者のクローズアップ写真を何枚か撮ってしまいました。また、 左手でキューブ、右手でペンを持つ方式 はあらかじめ知っている手順を回転記号に変換するときに非常に便利だったので、以下のFMCの試技をやるときにも使うようにしています。
さて、日本大会も終わってぼんやりしていた矢先に、イケメンで有名なお兄さんがFMC Advent Calendar 2019を企画したと聞いて、さっそくFMCの勉強を始めることにしたのでした。
何を使って学習したか?
主に参照した学習リソースをメモしておきます。
日本語の解説記事をあたる
まずは有名な日本語リソースからあたりました。
次の二つのサイトを(意味がわからないところはあるにせよ)通読しました。先人の努力に感謝します。
ブロックビルディングをして、F2L-1(えふつーえるまいなすわん)の状態に持っていって、残しておいた3つのコーナーに対してインサート!キャンセル! というのがカッコいい流れであることがわかりました。コミューテータという概念は3BLDの学習の中で知ってましたが、任意の3点についてその場で手順を作るということはとても大変そうに感じました。インターチェンジできないところはそもそも8手コミューテーター(ピュアコミューテーター)が作れないので、FMCにおけるインサートを考えるときには除外されるものだ、というところまでは理解しましたが、そもそも3CPってどうやって作るんでしょう?ELL?なんだそれ?という状態です。
カッコよく 3CPインサート!8手キャンセル!(free insertion club) みたいなことをやりたい!と思いました。
動画もあわせて参照
FMC Tutorial - SpeedCubeReview
3BLDのM2/OP法を覚えるのにお世話になったSpeedCubeReviewのプレイリスト。競技の基本的な流れ、ブロックビルディング、疑似ブロック、NISS、EO、インサートとコミューテータなどの基本的な概念については一通り解説があります。最初の方に並んでいる動画は、ほぼ実時間で流しながら解説を話していくスタイルなので、冗長に感じる点が多いです。
プレイリストの最後にある「Fewest Moves Complete Tutorial」(1:32:41)は、長いけれどタブレットをつかってわかりやすく解説してくれています。いま改めて見ると、さらに解説している内容が頭に入ってきますね。
3x3 Fewst Moves(FMC) - J Perm
みんな大好きJ PermのFMCチュートリアルシリーズ。コンパクトに必要な要素を詰め込んで話し続けるので、集中してついていかないと意味がわからなくなります。Scramble Switch (NISS) のチュートリアルからスタートするので、初心者にはまったく意味がわからない!となって、つまみぐいのように視聴しました。*3
なので、2つめの3x3 Efficient Block Building Tutorial (FMC)から見ることをおすすめします。これは初心者の私にも少し意味がわかるレベル。Rouxのブロックビルディングと考え方が同じでした。
包括的なチュートリアル
これらとあわせて、WRホルダーであるSebastiano Tronto氏によるFMC TutorialのPDFも読みました。非常に平易な文章で書かれており、わかりやすく読むことができました。そもそもの概念がわからないところは、上記の日本語解説や動画と行ったり来たりしながら読みました。ようやくFMCの全体像がわかってきた気がします。こうやって、学習の初期に 複数の入門記事やチュートリアルを参照しながら、全体像を少しずつ掴んでいくやり方は、新しい競技を始めようとするときに非常に効果的です。
制限時間内のソリューション:CFOP 49手
さて、能書きが多くなりましたが、まずはやってみましょう。スクランブルは下記の通りです。1つめのスクランブルをやります。
(1) R' U' F L D B' R2 D2 U2 R2 F L2 F' D2 F' L' R' U B' L2 B L D2 R' U' F
まずは、1時間の制限時間を決めて、できることをやってみます。
この時点では、 まだ上記の学習リソースを全て読み込んでおらず、ブロックビルディング的なことがほとんどできない状態でした。 なので、スクランブルされたキューブを眺めて、すでにできている白赤緑のペアを残したままXCROSSを作ろうとしました。あとから考えると、2x2x2ブロックを作るのに8手かかっているので、あまり効率はよくないのでしょう。(FMC Tutorialによれば4手くらいで222ブロックを作りたい、とのこと)
D F' L B' D R2 D2 R // XCROSS (8/8)
さて、白クロスでXCROSSができたので、あとはF2Lをいい感じに入れていくだけです。
D' B' D2 B //赤青ペアを作る (4/12) D' L' D2 L D L' D' L //F2L#2 (8/20) D' B' D B //F2L#3 (4/24) F' D F D' L D L' //F2L#4 (7/31)
F2Lを何度か試行錯誤しながら入れて、6手OLLの形になるようにしました。 いちばん時間を使ったのはここです。この形になるまでに40分くらいは使っています。
スキップこそできませんでしたが、OLLの形をコントロールするという感覚は新鮮です。本来は開眼両手のソルブでも同じようにOLLのエッジをコントロールできるようになるべきなんでしょうが、まだそんなことはできません。F2Lの#4を入れるときに色々工夫すると必ず上面に十字ができるらしい(cf. VHLS)。魔法ですか?*4
B D R D' R' B' //OLL (6/37)
あとはUpermを回して、AUFで完成。どうにか時間内に収まりました。
B D' B D B D B D' B' D' B2 D' //PLL+AUF (12/49)
解答まとめ
FMCerの皆様がいい感じに解答にメモをつけながら投稿しているのをカッコいいと思っているので、それっぽい形に書き直してみました。
いままでコメントの (N/M) の箇所の意味がよくわかっていませんでしたが、あれはその行の手数と累積手数を書いたものだったんですね。ようやく理解しました。
D F' L B' D R2 D2 R // XCROSS (8/8) D' B' D2 B //赤青ペアを作る (4/12) D' L' D2 L D L' D' L //F2L#2 (8/20) D' B' D B //F2L#3 (4/24) F' D F D' L D L' //F2L#4 (7/31) B D R D' R' B' //OLL (6/37) B D' B D B D B D' B' D' B2 D' //PLL+AUF (12/49)
感想
知っている手順を持ち替え記号なしで書くのはものすごーく難しい!(小並感)
簡単な手順だから、と思ってメモしないで次に進むともうダメです。二度と再現できないことになります。白U緑Fの状態に変換して、回転記号としてメモをしていくのは、なかなか認知的にタフな作業でした。 「やった!解答ができたぞ!」と思って回してみたら揃わない なんてことは普通にあるんですね。FMCこわい。*5
メモ:さらに短いLL
F2L#4終了時点から、 F' D' F L B D B' L' D'(9手) で完成状態になるよ!という手順を教えていただきました。これを使えていれば40手!うえしゅうさん、ありがとうございます。
OLL44の y L' U' L F R U R' F'でLL完成するのか!複数のOLLパタンを知っているとこういうときに有効なんですね。FMCこわい。
お疲れ様です!最初の49手の解答ですが、F2L#4以降 F' D' F L B D B' L' D'というLL手順で揃います(たかとら君がハワイで19手逃した時のやつです)。ご参考までに。
— うえしゅう (@uesyuu_cube) 2019年12月14日
もう少しF2Lをいじってみた:CFOP 47手
さて、あとは制限時間を考えずに悪あがきをしてみましょう。F2Lをもう少しいじって短くならないかなーと思って、F2Lの#3を入れる順番を変えると、F2L完成まで4手節約できることに気づきました。どうして気づかなかったのか? しかし、同時にOLLが8手になり、AUFが不要になるので、計47手。そんなに短くなりませんでした。FMCこわい。
D F' L B' D R2 D2 R // XCROSS (8/8) D' B' D2 B //赤青ペアを作る (4/12) D' L' D2 L D L' D' L //F2L#2 (8/20) D' L D L' //F2L#3 (4/24) D' B' D B //F2L#4 (4/28) F D F' D' F' R F R' //OLL (8/36) F D' F D F D F D' F' D' F2//PLL(11/47)
少しだけFMCっぽいことをやってみる:ブロックビルディング+NISS 40手
上記のソルブはCFOPを拡張して効率的にやろうとしただけのものでした。なので、別の日に時間を取って FMCっぽい解き方をしてみよう! と思い、やってみました。この間にFMC Adventcalendarの諸記事を拝読しています。特にNISSの使い方がようやく腑に落ちたのは、まっしゅさんのNISS愛あふれる記事を読んでからです。
同じスクランブルからスタートしますが、あらかじめインバーススクランブルをメモしておきます。これがきっと役立つはず!
スクランブルS: R' U' F L D B' R2 D2 U2 R2 F L2 F' D2 F' L' R' U B' L2 B L D2 R' U' F インバースS': F' U R D2 L' B' L2 B U' R L F D2 F L2 F' R2 U2 D2 R2 B D' L' F' U R
222を探索して、223を作る
CFOPの解き方をしたときに見つけたXROSSと同じように、すでにできているペアを保存して2x2x2ブロックを作ろうとしてみます。試行錯誤します。
D F' L B' D R2 D2 R //8手、さっきやったXCROSS F' B' D R2 D2 R //6手でも222はできた F' B' D R2 D2 B' R //7手222。余分な1手を入れると、白緑橙ペアもできた。 F' B' D R2 D2 B R //7手222。余分な1手の方向を変えてみる
余分な1手(1手インサート)を入れるとそのあとの形状が変わるので、どうにか223ブロックが作りやすいつながりはないかを検討したところ、次の手順で223を作ることにしました。11手で223ができているから、そこまで悪くもない…ですよね?たぶん。
F' B' D R2 D2 B R L U' L U //223 (11/11) ... [1]
223からF2L-1まで:NISSしてみる!
さて、ここでまっしゅさん記事にならって、NISSを使ってみます。
ここまでの手順で
ここまで:S [1]
を得ているので、これをインバースして、次の配列を得ます。
ここから:[1]' S' = [U' L' U L' R' B' D2 R2 D' B F] [F' U R D2 L' B' L2 B U' R L F D2 F L2 F' R2 U2 D2 R2 B D' L' F' U R]
F2L-1に拡張したいので、 白と緑をクロス色だと見立てて次に進みます。 白クロスっぽく考える場合:
B D R D2 R' D2 R D' R' //9手 B R D' R' D' L' D' L //8手
緑クロスっぽく考える場合:
D2 B2 R' B R B' R' B' R//9手
OLLがいい感じに繋がりそうだったのが緑クロスなので
(D2 B2 R' B R B' R' B' R) //F2L-1 (9/20) ... [2]
これを採用しました。NISSのカッコ書きの記法ってこれであってますかね…?
F2L-1できたので、さらにNISSしてみる!
F2L-1が完成したので、ここでまたNISSをやります。インバース祭りです。
ここまで:[1]' S' [2]
ここから:[2]' S [1] = [R' B R B R' B' R B2 D2] [R' U' F L D B' R2 D2 U2 R2 F L2 F' D2 F' L' R' U B' L2 B L D2 R' U' F] [F' B' D R2 D2 B R L U' L U]
だんだん混乱をしてきましたが、インバースするってこういうことですかね。またノーマルスクランブルが出てきました。ここに至るまでに何度もスクランブルを回し間違えているので、そろそろスクランブル配列を覚えてきてしまいました。さて、ここからF2Lを完成させるか、3CPに持ち込むかしたいですね。
白クロスっぽく入れることを考えると8手でF2Lが完成しますが、OLLもPLLもよくなさそうなので除外。探索する時間を長く取っても、いい手順が見つかるとは限らないのがFMC。FMCこわい。
B2 L B L' B2 L B' L' //8手でF2L完成。OLLもPLLも長いので除外。
ダメだったのでNISSする前に戻って、F2L-OLL-PLL!
[1]' S' [2] まで戻って考えていると3手でF2L終わるのを発見。こちらに切り替えて探索。
(L B2 L') //3手、F2L完成 ... [3]
ここまで:[1]' S' [2] [3]
ここから:[3]' [2]' S [1] = [L B2 L'] [R' B R B R' B' R B2 D2] [R' U' F L D B' R2 D2 U2 R2 F L2 F' D2 F' L' R' U B' L2 B L D2 R' U' F] [F' B' D R2 D2 B R L U' L U]
インバースする配列が長くなってきて、NISSしたあとのスクランブルを回すだけで疲れてくる。FMCは体力勝負なんですね。
あとは3CPを探す!とやったけれど、どうやってもB面のエッジが2つ反転しているのをキレイに戻す手順が思いつかない。力尽きてOLLとPLLを回す。
完成!
U B2 U2 L U L' U B2 U' //OLL (9/32) ... [4] R' B L' B2 R B' R' B2 R L //PLL (10/42) ...[5]
解答をまとめてみよう
上記までをまとめて書くとこんな感じになりました。 42手!悪くないじゃないか!
F' B' D R2 D2 B R L U' L U //223 (11/11) ... [1] (D2 B2 R' B R B' R' B' R) //F2L-1 (9/20) ... [2] (L B2 L') //F2L (3/23) ... [3] U B2 U2 L U L' U B2 U' //OLL (9/32) ... [4] R' B L' B2 R B' R' B2 R L //PLL (10/42) ...[5]
さて、ここで流れるようにNISSを使ってみたものの、最後どうやって解答をまとめたものか途方にくれました。最後はどうやって書けばいいんだっけ…?
[3]' [2]' S [1] [4] [5]
とやったら完成状態になったのだから、これを少しだけスライドすればスクランブルに対するソリューションができたはず。
寄り道:Sebastiano Tronto先生のチュートリアルでNISSの解答の書き方を理解する
かのSebastiano Tronto先生もpremoveについての説明で、こう言っている。この説明が非常にわかりやすくて、ようやくpremoveとNISSというものが腑に落ちた。
スクランブルとソリューションは単一のムーブによるループ配列として考えることができる。これはキューブの状態にまったく影響しない
(FMC Tutorial, p.38)
なぜインバースしたスクランブルで解いているはずなのに、同じ完成状態にたどり着くのだ?と意味がわからなかった。次の例を読んで、ようやく意味がわかった。キューブを完成状態に戻す配列があったとき、その前後でセットアップ&逆セットアップをやっても何も影響しないのだ。
たとえばA B C Dをスクランブル、p q r sをソリューションと考えてみよう。 A B C D p q r s という配列で、キューブは完成状態に戻る。同じように、「ズラした」配列を考えてみると
s (A B C D p q r s) s’ = s A B C D p q r
r s (A B C D p q r s) s' r' = r s A B C D
q r s (A B C D p q r s) s' r' q' = q r s A B C D
p q r s (A B C D p q r s) s' r' q' p' = p q r s A B C D
D p q r s (A B C D p q r s) s' r' q' p' D' = D p q r s A B C
. . .
どれもキューブの状態に影響しない。インバースした配列でも同じことになる。
今回、私がNISSで作った解答についても同じことをやってみると、最終的に スクランブルに対するソリューション を取り出すことができるはずです。さあ、確認しながら書いてみましょう。
配列を「ズラして」解答を得る
[3]' [2]' S [1] [4] [5] //完成状態になる配列が得られた。いわば単位元。
上の例と同じように、前後にセットアップを入れてみる。
[2] [3] ([3]' [2]' S [1] [4] [5]) [3]' [2]' //前後に[2][3]のセットアップと逆セットアップを入れる S [1] [4] [5] [3]' [2]' //セットアップ部分はキャンセル。逆セットアップ部分だけ残る。
最終的にはこの [1] [4] [5] [3]' [2]' という配列でスクランブルを完成状態にすることができるので、これが解答になるのです。ようやく意味がわかった!NISSばんざい!
ダメな例:NISSを展開するときにキャンセルを発見する
おや?NISSを展開して書き下したときに、キャンセルするところがあるぞ?
これはNISSを行った前後で前のムーブをすっかり忘れたまま重複して書いていたところがある、ということのよう。本当は回している最中に気づくべきだったのだろう。けれど、ここでは単にラッキーとして喜ぶことにします。こういうのをちゃんと気づかないで解答を書くと大変に損をしそうなので、今後気をつけます。ひえー、気づかないもんですね。
F' B' D R2 D2 B R L U' L U2 // [1] 1手キャンセル B2 U2 L U L' U B2 U' // [4] R' B L' B2 R B' R' B2 R L2 //[5] 1手キャンセル B2 L' //[3]' R' B R B R' B' R B2 D2 //[2]' (40手)
40手!? えっ、嘘でしょ、とりあえず直近の目標として設定したsub-40が急に目の前に迫ってきました。
おわりに
FMCちゃんと勉強したくなりました。FMC Advent Calendar 2019という非常に楽しい機会を作っていただいた発起人のたむそんさん、ありがとうございます。 ちゃんと勉強してトライして、コンスタントに短い手順を出したいですね。そのためにはコーナー3つだけ残すようなFMCっぽいことができるようにならないといけません。がんばります。 長期的な目標は、目標は単発sub-年齢です。中期的な目標は単発sub-40です。
FMCのsub年齢!そういうのもあるのか!(sub32はけっこうむずかしそうだけれど…)
— かわむ (@kawam1123) 2019年9月22日
しかし、大人キューブ関係者ほど有利ではないか!
FMC Tutorialの翻訳開始しました
また、大変お世話になった Sebastiano Tronto氏のFMC Tutorialについて、どなたも日本語訳を作っていないと伺ったので、翻訳関連のリポジトリを作って、翻訳を開始してみました。ご本人がイタリア語話者であり、英語の母語話者でないこともあって、複雑な言い回しはほとんどなく読みやすい文書です。翻訳途中のドキュメントはこちらです。
また進捗は5%もないのですが、ちょっとずつ翻訳をしていこうと思います。このわずかな取り組みが、これからFMCを学ぼうとする方の参考になればと思っています。(翻訳に協力してくださる方、募集しています!)
ここらでひとつ、FMCがこわい。
(追記) Tribox ContestのFMCもはじめました
今回の企画で、同じスクランブルについて色んな方がFMCをやっているのを拝見する面白さを知りました。なので、毎週同じスクランブルでほかの人の解答が拝見できるTriboc ContestのFMCは外せない!と思い、今週から始めることにしました。
さっそく華麗にDNFしました! (委細は別の記事にまとめましたので、ご興味のある方は是非ご笑納ください…)
(2020/04/29追記) FMC Tutorial (第三版)の翻訳を進めています。
上記のFMC Tutorialの第三版の翻訳を進めており、ほぼ完成しました。FMCの基礎を学びたい方にとってよい参考資料となることを期待します。
おしまい。
*1:あとでわかりましたが、おそらくこれはNISSをやっていたのでしょう
*3:いまもう一度視聴して、ようやく何を言っているか理解できた。スクランブルスイッチをすることで簡単なブロックビルディングができるようにしよう!というのがスタートポイントなのだろう。そこから、効率的なブロックビルディングとはどういうものか?という解説に続けていく。なるほど賢いやり方かも知れない。
*4:あとで調べたところ32通りしかないらしい。CMLLより少ない。これは覚えるしかない!
*5:よーく回答を見たら、OLLとPLLの間に1手キャンセルがあるしゃないですか!!こんな簡単なキャンセルにも気づかないなんて…FMCこわい。
csTimerのバーチャルキューブ機能
(追記) 非公式のcsTimerユーザーズガイドを書き始めました
(2020/05/25) バーチャルキューブの簡単な解説を作ろう!と思って、この記事を書いてからしばらく時間が経ちました。
csTimerの他の機能についても書いていこうと思いながら、だいぶ時間が空いてしまったので、とりあえずひな形だけ作ることにしました。csTimer日本語版のユーザーズガイド(非公式)を公開しています。まずは初めて使う人がつまづきやすいポイントや機能の概要を紹介していきます。「こんな機能はあるの?」「これを詳しく解説してほしい」などのご要望がありましたら、お知らせください。
TL;DR;
csTimerの機能のひとつである、バーチャルキューブによるタイム入力機能について解説します。これはキーボードだけでキューブを解くことができるもので、3x3x3以外のキューブも解けます。
設定方法は?
バーチャルキューブを利用したいセッションを開き、下記の設定項目を変更してください。
(日本語) [設定]>[タイマー]>[タイム入力方式]>[バーチャルキューブ]を選択する
(英語) [Option]>[timer]>[entering in times with]>[virtual]を選択する
※本記事はcsTimer version 2019.08.04に基づいています。設定項目の名称は今後変更される場合があります。
※原語の「virtual」という表記だけではわかりにくいと感じたので、日本語訳では「バーチャルキューブ」という表記にしています。もっといい表記あればお教えください。
使い方は?
入力方法は?
csTimerのロゴをクリックすると、csTimerの概要などが書かれた画面が表示されます。
[Keyboard Shortcut]を選択すると、キーボードショーカットの一覧の下に、バーチャルキューブ用のキーマップが表示されます。ここに表示されたキーを入力することで、キーボードだけでキューブを回転させることができます。ホームポジションに指を並べると、主要なムーブについては、それぞれの指が実際にキューブを回す時に使う指に対応しているのがわかります。
英語配列のキーボードに最適化されているようなので、いくつかキーマップが異なるところがあります。セミコロン(;)でy持ち替えになるはずが、コロン(:)で動きました。また、FwやS、Eなどの一部の回転はサポートされていないようで、別の回転を組み合わせて表現するしかなさそうです。
どうやってスタートするの?
スペースキーを押すと自動的にキューブがスクランブルされます。インスペクションを有効にしている場合、スクランブル後に自動的にインスペクションタイムのカウントが始まります。
xやyなどのキューブ持ち替えを駆使してインスペクションしましょう。UやRなどの回転を始めると、自動的にタイマーがスタートします。キューブが完成状態になると自動的にタイマーはストップします。
初見でトライしたところ10分かかりました。何度か練習するとsub2分くらいはできるようになりました。
楽しみ方は?
- キーボードだけでキューブが回せるので、手元にないキューブも回せてちょっと楽しいかもしれない
- 普通にキューブを回しているのとは違う疲れ方をするので楽しい
- 回転記号をちゃんと覚えていないと回せないので、覚えた手順を練習するのに使える…かも?
- 最初のうちはキーマップを覚えられないので、手探りしながらキューブを回していく苦行です。
- バーチャルキューブで入力したものは、自動的にtpsが計算されます。また、タイム一覧からソルブのリコンストラクションを参照できます。(alg.cubing.netにリダイレクト)
PS4やXboxのコントローラーを使ってキューブを回して楽しんでる人もいます。なるほど。
csTimerのバーチャルキューブ機能の利用方法とあわせて、Xboxのゲームパッドを使ってキューブを回せるようにしてる記事。
— かわむ (@kawam1123) 2019年8月17日
なるほどー、こういう楽しみ方があるのかー。 https://t.co/4atyZ9N6rq
記事を書くきっかけ
Kevin Haysがライブストリーミング中にバーチャルキューブやっていたと聞いて自分もやってみました。https://t.co/h8rf2V3pdI
— かわむ (@kawam1123) 2019年8月17日
もともとバーチャルキューブ機能は知っていたのですが、実際に使ってみるのは初めてでした。まとめるきっかけをくださった@takoscube さんと Kevin Hays御大にはこの場を借りて御礼申し上げます。
こんな感じでcsTimerの諸機能を日本語で少しずつ解説していこうかと考えています。csTimerの日本語翻訳をお手伝いしたときに全ての機能を読んだはずですから、一通り解説できるはず。需要あるのかはわかりませんが、ゆっくり続けます。
(おしまい)