M'4

ルービックキューブで学んだことをまとめます

初めてのTribox Contest FMCでDNFした話 (tribox Contest 2019 後半期 第23節)

スピードキューバーのみなさん、こんにちは。FMC初心者のかわむ(@kawam1123)です。

FMCアドカレの記事を書いて、いい感じにFMC欲が高まっています。なので、初めてTribox ContestのFMC(最少手数競技)をやってみました。 時間を測ってちゃんとやるのは4回目くらいです。制限時間内にちゃんと解答を書くのは緊張して難しいですね。

しかし、最後に解答をまとめてテキストボックスに入力していたときに、入力ミスをしたのでDNFになってしまいました…! 残り時間がぎりぎりになってしまい、入力した解答を最初から回すことができなかったことが大きな原因でしょう。実際の大会でも起こりそうですから、DNFになるのが当然の結果です。

しかし、あまりに無念なので、思考過程をメモしておきます。 個人的には、制限時間内で初めてスケルトンというものを作ることができたので、思い出深い試技になりました。ケルトンを作ってコミューテータを探して、インサートする場所を考えて…みたいな、FMCっぽいことを少しだけ体験できたので、非常に楽しい時間でした。誰かの参考になるような高度なものではないですが、学習記録の一つとして書いておきます。

先に解答:36手!

インサートして1手キャンセル、36手!sub-40!迷うことなき人生PBです! (まあ実際はDNFだったんですけどねー…)
ほんの少しだけ、スケルトンとインサートみたいなFMCっぽいことができました。

Scramble: R' U' F D2 L2 D2 R' U2 B2 L U2 F' D' F' U' F2 L D R U L F2 R' U' F

L2 B' R' D' R L2 D //222 (7/7)
R' D R D' R D R' D' //223 (8/15)
U2 // F2l-1 (1/16)
(R' B' R' B) // EO (4/20)

skelton: L2 B' R' D' R L2 D R' D R D' R D R' D' U2 B' R B R * +
insertion(*) : R2 B2 R F R' B2 R F' R (9-1/28) 
insertion(+): D R' U R D' R' U' R (8/36)

solution:
L2 B' R' D' R L2 D R' D R D' R D R' D' U2 B' R B R'
B2 R F R' B2 R F' R D R' U R D' R' U' R (36手)

思考過程

さあ、スタートです!そもそもTribox ContestのFMCのUIを見るのも初めてですから、どうやって始めればいいのかもわからないうちにスクランブルが表示されます。

スクランブル

R' U' F D2 L2 D2 R' U2 B2 L U2 F' D' F' U' F2 L D R U L F2 R' U' F

まずはノーマルスクランブルとインバーススクランブルを紙に書きます。ノーマルスクランブルを見ながら逆に回すような高度なことは、もう少し慣れてからやります。

スクランブル
スクランブル

222から223へ

あらかじめできているペアが何もなかったので、セオリー通りに 1手動かしてペアができるパタンを探すことにしました。次の3パタンが見つかったので、ここから少ない手順で221を作ろうと探索を進めます。

R  ...  (YGRペア)
L2 ... (RBWペア)
B' ... (OBYペア)

5分ほど格闘したところ、「B' R U B2 R'」とやってようやく221ができました。5手はちょっと長いなあと思いつつ、メモしておきます。
さらに5分ほど格闘して、222ブロックを作るためには青橙エッジをL2で先に逃がしておけば楽ではないか、と気づきます。そこで次のような手順で222を作って、次に進むことにしました。7手で222ができるのは決して良くはないのでしょうけれど、いまの私のレベルでは満足できるブロックビルディングです。よしよし。

L2 B' R' D' R L2 D //222 (7/7) ... [1]

222完成時点
222完成時点
ここから、オレンジクロスに見立てて、F2Lペアを入れるようにして223に拡張します。たぶんもっといいやりかたがありそうですね。

R' D R D' R D R' D' //223 (8/15) ... [2]

あっというまにF2L-1ができる

ここで非常にラッキーなことが起こりました。U面に221ブロックができています!

223からF2L-1へ
223からF2L-1へ
まったくの偶然ですが、U'すればpseudo F2L-1の形に持っていくことができますし、U2してF2L-1を完成させてもよいという状態です おお、ようやくpseudo-blockなる概念を実践で見つけたぞ!と心の中では大喜びです。しかし、U2でそろえたほうが普通にF2L-1になって、後が簡単になるだろうと思ったので、U2して次に進みます。さようなら、はじめてのpseudo F2L-1。

U2 // F2L-1 (1/16) ... [3]

いい感じにブロックがそろってきたので、何も考えずにNISSして探索を続けます。どういうときにNISSを使うべきなのか、まだよく理解できていませんから「なんとなく詰まった感じがする」というときにはあまり考えずにインバースに進んでみるようにしています。実際のところ、どういう基準でインバース側に移行するのがよいのでしょうか?

ここまで:S [1] [2] [3]
ここから: [3]' [2]' [1]' S'

ケルトンができた!(5CP)

さて、NISSして考えると、R' B' R'とやればR面(LastLayer)のEOが揃いそうなことに気付きます。そのあとにBをすれば、エッジがすべてそろって、コーナーだけ(5CP)の状態に持っていくことができます。

(R' B' R' B) // EO (4/20) ... [4]

スケルトン(5CP)
ケルトン(5CP)
これが話に聞くスケルトンというやつですね! こういう形でエッジを揃えることでスケルトンができる、という流れ、初めて実戦で気付きました。偶然にもよい形だったんでしょう。 ところで、記事を書きながらいろいろ確認をしていたところ、この時点でNISSをせずに B' R B Rと回しても5CPのスケルトンできていましたね。NISSした意味がなかったですね…。

ケルトンができたので、NISSを展開する

このスケルトン(と呼んでいいのでしょう)ができた時点で、残り時間は37分ありました。これはちゃんとインサート&キャンセルを探す時間がありそうだ!と思い、まずはスケルトンを展開して紙に書いてみました。1時間の制限時間の中でスケルトンを作るのもインサートを探すのも、初めての試みでした。5つのコーナーが(ねじれずに)配置されているので、3点交換を2回繰り返せば完成状態になるだろうことがわかりました。ですので、うまく工夫すれば最悪でも36手には収まるという状態です。やったー。

この時点で[3]' [2]' [1]' S' [4]という形が得られているので、これを展開すると [1] [2] [3] [4]'の配列が得られます。これはスクランブルに対するスケルトンとして機能します。書き下すと次のようになりました。

skelton(20手):
L2 B' R' D' R L2 D R' D R D' R D R' D' U2 B' R B R

こうだな?これでスケルトンという考え方は合っているな!?と心の中で何度も確認をしながら、スケルトンをメモ用紙に書きました。そして、タックシールをキューブの各面に張り付けていきます。どういう風に張り付ければコミューテータが探せるのかよくわからなかったので、ループしているステッカーに1~5までの番号を振っていくことにしました。

ようやくシールを張り付け終わった時点で、残り時間は20分ほどありました。シール貼るのに時間かかりすぎました。

インサートを探してみよう

あとは制限時間いっぱい、インサートしてキャンセルするところを探すだけ!というウキウキ気分です。しかし、慣れていないので時間もなさそうです。 さて、スケルトンの最初から探していきましたが、キャンセルどこからコミューテータの手順さえ一向に見つかりません。そもそも、まだ自由自在にコミューテータを作れるようにはなっていません。

L2 B' * R' D' R L2 D R' D R D' R D R' D' U2 B' R B R

このあたりに[R : UL'U']みたいなコミューテータを入れればキャンセルしそうだなーと思いながら探索していましたが、途中で手順をミスって、最初からスケルトンを作り直すことが何度もありました。コミューテータこわい。

10手ぶんほど探索を進めてから、残りの時間でちゃんと解答ができるか不安になりました。なので、このスケルトンの一番最後に続けて、知っている3点交換手順をまずは書いてみることにしました。

一つ目の3点交換はR2 B2 R F R' B2 R F' R (9手)です。
これはそのまんまAb perm(x R2 D2 R U R' D2 R U' R x')なのですが、最初のR2がスケルトンの最後のR'と1手キャンセルすることがわかっていたので、採用することにしました。
二つ目の3点交換はD R' U R D' R' U' R (8手)です。
残った3点をにらんでいると、ごく普通のコミューテータができたので、採用することにしました。キャンセルはありません。

insertion(*) : R2 B2 R F R' B2 R F' R (9-1/28) 
insertion(+): D R' U R D' R' U' R (8/36)

この時点で36手なので、とりあえずの解答としては意味を成します。やったー、PB!

まさかこのとき解答をテキストボックスに写し間違えているなんてことは夢にも思いません。
阿呆とはこのことです。次からはとにかく書き間違えないことに気を付けます。反省します。

インサートが見つからないまま時間がやってくる

このバックアップ解答を準備しおわった時点で、すでに残り時間は5分しかありませんでした。早くこの解答を解答用紙にまとめなければなりません。そして、Tribox Contestの解答テキストボックスにタイプしなければなりません。うひゃー、時間がない!急いで書いて、確認して、回して、タイプします!

そしてDNFへ…

最終的にこんな解答を書きました。見本のような書き間違いです。コミューテータで B2 R F R' B2 R F' ...まで来たらR'が来ると思ってしまいました。大失敗です。

L2 B' R' D' R L2 D R' D R D' R D R' D' U2
B' R B R' B2 R F R' B2 R F' R'(ここが違う) D R' U R D' R' U' R

これまで検討してきた正しい解答は次の通りです。R'じゃなくてRですね。

L2 B' R' D' R L2 D R' D R D' R D R' D' U2
B' R B R' B2 R F R' B2 R F' R(こうでした) D R' U R D' R' U' R

このスケルトンでの最適解は?

ちなみに、FMCer御用達の Insertion Finderなるツールで探してみたところ、Pure 3 Corner(2回)のインサートでは7手キャンセルして29手の解答があったようです。ちゃんと探索する時間があったら気付けた可能性もあったのかもしれません。

7手キャンセルして29手
7手キャンセルして29手

さいごに

今回は順当にDNFになりましたが、次は速めにスケルトンを作って、インサート&キャンセルを探す時間を確保してみたいと思います。

初めてシール使いましたが、キューブに貼ったタックシールは、ソルブが終わったら自分で剥がさなきゃならないんですね。当たり前のことでした。5CPについて3つのキューブすべてに貼ったので、けっこう面倒ですね、これ。どんなシールを使うのが一番楽なのかも考えないといけませんね。

DNFの夢の跡
DNFの夢の跡

おしまい。

(同日 追記)21手3CPを教えていただきました!

L2 B' R' D' R L2 D //222 (7/7)
R' D R D' R D R' D' //223 (8/15)

223ブロックビルディングあたり。R' D R D'でペアリングしたあと、223へのスロットイン方法を変えてみると一気に3CPへの道が開けていたのでした。えっ、何これ。(例によってうえしゅう大先生にお教えいただきました)

L2 B' R' D' R L2 D //222 (7/7)
R' D R D' R2 D R2 D' //入れ方を変えた223 (8/15)、R面に221ができている

ここからさらに次のように動かします。

R' U2 R' //F2L-1かつEOがいい感じ (3/18)
F' U2 F//EO揃って3CP (3/21)

あら不思議!21手3CPがこんなところに!

21手3CP
21手3CP

これはまったく気づきませんでした。早くスケルトンっぽいものを作ってインサートしようしようと気持ちが急いており、223へのスロットイン方法を試行錯誤してみる余裕はありませんでした。
F2L#4のスロットインの方法を変えるとLLが変化するのと同じロジックで、223へのペアリングによってもいくつか分岐が作れるということなのでしょう。時間に余裕があるときは、いくつか223のペアリングを考えてみるのもよいかもしれません。今後の課題とします。

それにしても、(おそらく)記事をさらーっと読んだだけでこんなものを発見するうえしゅう先生、本当にすごいです。 いつもありがとうございます。

ちなみにこの方向で突き進むと、optimalは1手キャンセルの28手だったようです。キャンセルしなくても29手。sub-30…。

Insertion Finder (21手3CP)
Insertion Finder (21手3CP)